壁の中に温湿度計を設置しました!
- ononoono28
- 2023年12月10日
- 読了時間: 2分
福山市神辺町にある新築住宅にて、南側と北側の2か所の壁の中に温度計を設置させていただきました。2023年12月
なぜ今回壁の中に温度計を設置することになったのか、いったい何を調べるのかということですが、
普通の結露計算ソフトなどを使うと、「温度」「熱伝導率」「透湿抵抗」だけで計算するため、防湿シート(ビニール)を室内側に張らないと福山市神辺町(5地域)でも結露してしまうという計算結果が出てしまうんです。
50万円以上するWUFIというソフトがあればセルローズファイバーの保湿能力も計算に入れて算出してくれるそうなのですが、ちょっと簡単に出せる額ではないので、今回、実際のところはどうなのかを壁に聞いてみようと思った次第です。
設置する場所は、外側の面材(モイス)とセルローズファイバーの間です。
壁の仕様は内側から漆喰+プラスターボード12.5㎜+セルロースシート(不織布)+セルロースファイバー105㎜+モイスTM9.5㎜+EPS25㎜+メッシュ+下塗り剤+上塗り剤+トップコートで、下塗りと上塗りの左官材料はよくわかっていないのですがトップコートまで全て透湿するものだそうです。
普通のソフトでは冬にモイスとセルローズファイバーの間で結露する計算になるようなので、以下のような形で温度計センサーを設置させていただきました。

この家は普段お世話になっている工務店の従業員さんの家になりますので、実際に生活して内部で湿気が発生するようになります。
設置後に知ったのですが、九州大学の尾崎教授と学生がデコスさんと協力して似たような実験をして論文を書かれていました。
「セルロースファイバーを使用した壁体における防露性能評価に関する研究」
この論文では計測期間は2017年の3月4日~3月17日で、24時間空調はあるが、人が滞在しない環境だったので、今回はこの論文よりもさらに普通の生活環境に近く年間を通したデータが採れると思われます。
設置した壁のある位置は、北側洋室と南側台所の2か所です。
設置した測定機器は「おんどどりTR72-S」を使用しました。
このデータロガーという測定機器が高かったんです…!一つ37000円で二つで74000円・・・!
設置させてもらうためにセルローズファイバー工事の割引もしたので結局それなりにお金をかけてしまいました。
でも、それだけ価値のある実験だと思っています。

計測期間は住み始める2023年12月~2024年12月の1年間を予定しています。
暖房はガスファンヒーター(1台)を使用し、夏の空調はクーラー(1台未設置)を予定しているそうです。
ガスファンヒーターならしっかり湿気が出るでしょうし、それでも結露しませんでしたよ!と言えることが期待できます。
では1年後…
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