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天井裏にウッドファイバー吹き積もらせ

福山市蔵王町の新築現場にて、天井裏にウッドファイバーとセルローズファイバーを300㎜吹き積もらせで施工させていただきました。

ウッドファイバーを吹き積もらせた直後は綺麗な木の色だったのですが、あとからセルローズファイバーを吹いたので、写真では上にセルローズファイバーが少しかぶってしまっています。

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ウッドファイバーとセルローズファイバーを比べてみたいという工務店様の意向で、今回部屋を分けて両方とも吹き積もらせました。

施工した結果、違いも見えてきたので以下に記したいと思います。


<吹き積もらせにおけるウッドファイバーとセルローズファイバーの違い>


①密度が違う

セルローズファイバーは吹き積もらせの時の密度は25㎏/㎥になります。

それに対して今回吹き積もらせたウッドファイバーの密度を計算したら、約32㎏/㎥ほどありました。


②熱容量が違う

ウッドファイバーのほうがセルローズファイバーよりも1㎏あたりの熱容量が多いので、密度が大きいとその差はさらに広がります。

つまり、天井吹き積もらせ断熱を選択する場合は、セルローズファイバーよりもウッドファイバーのほうが夏の熱に対して強くなります。


軽く計算してみると、


セルローズファイバーの比熱は1940J/(kg・K)で、ウッドファイバーは2100J/(kg・K)

これに密度をかけた値が、容積比熱(1㎥あたりを1℃上昇させるのに必要な熱量)になります。

セルローズファイバー1940×25=48KJ/㎥・K

ウッドファイバー 2100×32=67.2KJ/㎥・K


ちなみに、セルローズファイバーだと大体密度40㎏/㎥あたりで一番、熱伝導率性能が良くなります。

昭和58年十條製紙(株)の論文に出ているグラフでは、30㎏/㎥~50㎏/㎥あたりでは熱伝導率0.035を下回っており、60㎏/㎥手前あたりから0.035を超え、70㎏/㎥で熱伝導率0.037あたりの数値になっています。

微々たる違いではありますが、40㎏/㎥あたりがグラフ曲線の下限になっています。

もしウッドファイバーも同じような熱伝導率と密度の関係性(曲線)となるならば、吹き積もらせにおいては熱伝導率でもウッドファイバーのほうが優位かもしれません。

熱伝導率0.002~0.005くらいの微々たる違いにはなりますが。。。



③値段は高くなる

キロ当たりの材料もウッドファイバーのほうが約2倍しますが、密度が高い分だけ多く材料を使うのでセルローズファイバーよりも更に施工単価を上げざるをえません。



④吹き積もらせやすさが違う

セルローズファイバーは細かい粒子がかなり舞うので、天井裏では奥の方が見えずらくなります。そのため奥まで入っているか、厚みは十分あるかなど分かりずらいのですが、一方でウッドファイバーはホウ酸の量が少ないためか、あまり舞いません。

なので視界良好で、施工業者としては施工しやすくなります。




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