北陸のセルローズファイバー現場を見学
- ononoono28
- 2024年3月25日
- 読了時間: 3分
石川県金沢市にて、ゼットテクニカ富山株式会社様(https://z-toyama.com/)のセルローズファイバー施工現場を見学させていただきました。
20数年前にセルローズファイバーで自宅を建てた方が、フルネスの蓄熱性実験記事を読んで連絡をくださり、その自宅を施工したセルローズファイバーの老舗であるゼットテクニカ富山(株)とも繋げてくださり、今回の見学と交流が実現しました。
今回お会いしたゼットテクニカ富山(株)の山本哲也社長はセルローズファイバーの本も出版されています。
「断熱で日本を変える」(Amazon)
綺麗にわかりやすくまとめられているので、セルローズファイバーを一から知りたい方にこそおススメの本です。
更にセルローズファイバーについての細かい性能や、様々な事例を知りたい場合は山本哲也社長の叔父にあたる山本順三さんの本「この本を読んでから家を建てよう」(Amazon)も面白いのでおススメです。
ゼットテクニカ富山(株)(以下ゼットテクニカ)から学んだこと
①施工の早さ
ゼットテクニカでは吹込みの機械を3台同時に使用し、フルネスで2人で3日くらいかかる量を3人で1日で終わらせていました。とてつもなく早いです。
②再利用で単価を抑える
富山県内の廃棄予定であるシャツ生地を買い取りセルローズファイバーシートとして使用することで、施工単価を安く抑えられていました。
幅広のシャツ生地を使い、横向きにシートを張ることによってシート張り時間も短縮していました。
見た目としてはセルローズファイバー専用の不織布シートを使った方が綺麗に仕上がりますが、壁の中の見た目よりも安さを求める方へ選択肢があるのは非常に良いことです。
そもそもセルローズファイバー自体が新聞紙を再利用したエコな断熱材なので、シートにも再利用品を使うのは相性が良いとも言えます。
③壁を壊さないリフォーム断熱
これは今回の現場見学では施工状況を見られなかったのですが、どのように行うか教えていただきました。
ボードが張られている壁の場合、壁のところどころに穴を空け、セルローズファイバーを吹き込むこみ、穴をパテで埋め、壁紙を張り替えることで低価格で簡易的に断熱工事が出来るというものです。
ただ密度のチェックや目視確認なども出来ないので、見えない壁の中に出来る限りで入れるという方法になります。もしかしたら障害物があって届いていない箇所も出るかもしれませんし、絶対に沈下しないとは言い切れません。「工事のために部屋を空けることが出来ない」「工事費用を安く済ませる」場合の手法として行うということを施主様に理解していただくことが重要なのだと感じました。
セルローズファイバーを使った断熱に選択肢を作ること
フルネスはもっともセルローズファイバーの性能を活かせる施工方法や絶対に沈下しない施工を追い求めて、選択肢を狭めてしまっていたことを自覚しました。
「多少断熱欠損の心配があっても、今の無断熱より良い」「一時的に引っ越す手間をかけたくない」「見た目よりも金額を抑えたい」といった方々へ向けて選択肢を用意して、よりセルローズファイバーのハードルを下げる努力が必要だと感じています。
実際、壁を壊さなければグラスウールもボード系の断熱材も断熱施工はできません。
壁を壊さないで断熱出来るセルローズファイバーならば改修のトータルコストはずっと安く済ませることが出来ます。
施工方法によっては他よりも安く断熱出来るセルローズファイバーを今後しっかり考えていきたいと思います。



















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