古民家も田んぼも、もったいないって言ったって金がなけりゃ維持できない
- ononoono28
- 2023年4月30日
- 読了時間: 2分
古民家を改修するにあたってセルロースファイバーを使っていただけるということで、下見に行かせていただきました。
昔は酒作りをしていた大きな古民家で、素晴らしい梁や、立派な蔵のある素晴らしい家でした。
そこで、移り住むにあたって、蔵をいくつか解体するという話をされていて、あまりにもいい雰囲気だったから「こんなに良い蔵もったいないなぁ、解体しないでどうにかならないですか」と話していました。

ですが、そういう話をしてしばらく経ってから、これは田んぼと一緒だ…!と気づきました。
田んぼは日本の原風景だからとか残したほうがいいなどと都会の人は気軽に言うんです。
ちなみに、僕も言っていました。
現在、中山間地にある小さい田んぼを維持しているのは、お年寄りの意地と年金です。
中山間地の田んぼを副業として維持するには、30kg玄米を8000円で売ったとして時給1000円くらいで考えるとギリギリ赤字になるかどうかくらいです。
でも、実際の農協買取価格は30㎏玄米で5600円~6000円くらいです。
赤字分は年金、補助金、税の優遇措置のようなものでどうにかなっているような具合です。
資本主義に染まった都会の人はきっとこう思うはずです。
「高く売るように頑張ればそれなりの商売になる」
「成功事例も全国にあるんだし出来ないことはない」
特にバブルで良い思いをして大企業の良い立場で定年したおじさん方なんて、「若いころは死に物狂いでがんばったもんだ」と言い出して、「努力がたりないからだ」とか言ったりしそうです。(偏見です。実際には言われていません。)
その「がんばる」具合がどれくらいのものか。
中山間地域の小さい田んぼを維持できるようにそれなりの収益を出すのは、「起業する」ということなんです。
当然、生半可な努力ではできません。資本も要ります。
それだけ大変でリスクもあることを、本業や年金で十分生活が成り立っている人が片手間でやるには重たすぎます。
実際にそれをやるプレーヤーではないのに、第三者目線で的外れな「がんばれば出来る」「俺だったら出来るのに」という心の声が聞こえてきそうな「もったいない」「維持したほうがいい」という言葉には、苦い顔しか返せないのも当然です。


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