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断熱性能の実験器具を作ってグラスウールと比較

更新日:2023年8月1日

熱を加えてどれくらい熱が通るか、よくYoutubeにも上がっている実験器具を作ってグラスウールと比較してみました。


温度を感知するセンサーは100㎜厚の断熱材と断熱材の間に挟んでいます。

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理想としては人が住む環境を再現することですが、エアコンを包むわけにもいかず、また小さい小屋を作って実験した方の話も聞きましたが、室内の体積が小さいだけでも実際の環境と違ってしまって難しかったそうです。

結局、建てた家で体感するのが一番なのかもしれません。。。


しかし、一部を抜き取って実験すると湾曲して見えてしまうところもありますが、シンプルな分だけ、分かりやすくなる面もあるはず!

ということで、断熱材に包まれているという想定で100㎜厚の断熱材の間にセンサーを挟んでいます。


ちなみに、熱の伝わり方には「伝導」「輻射」「対流」の3種類があります。

主に断熱材の性能値として使われているのは「伝導率」で、簡単に言ってしまうと密着した状態で熱がどれだけ伝わるかという値です。値が小さいほど伝わる熱が少ないということで、優秀とされます。


今回の実験は、赤外線ライトで熱を加えているので、多少は空気からの伝導があるかもしれませんがほとんどが輻射熱です。

ちなみに輻射熱をすごく簡単に例えると、触れないと伝わらない「伝導」が「電気」だとしたら、「輻射」のイメージは「電波」です。


※建物に入ったときに輻射熱や伝導熱がどうやって伝わってくるかは、建物の構造や屋根か壁か床かによっても違ってくるので、この結果がそのまま実際の建物には当てはまりません。




[結果]

セルロースファイバーの温度はほぼ変わらない一方、グラスウールの温度はどんどん上がっていきました。面白い点は、熱を加えることをやめてもグラスウールの温度上昇は止まらず、その後も数分間温度が上がり続けました


なぜ、温度が上がり続けたのでしょうか…。

実はこれ考えたのですが、ちょっとまだわかりません。

今回使ったのはホームセンターにも売っている一番安価なグラウウール10Kというものなので、もっと高性能なグラウウールでも試してみて違いを見てみたいと思います。



実験中、熱が加わっている表面を赤外線カメラで見てみると、

セルロースファイバーは76.0℃、グラスウールは52.9℃でした。

また、熱の広がり方も、セルロースファイバーのほうが小さく、グラウウールのほうが広く熱が広がっていることが分かります。

セルロースファイバーはグラウウールに比べて、熱を表面付近で受け止めて中への伝導よりも輻射熱として外に放出しているように見えます。



今回は入手しやすい一番安価なグラスウールとの比較だけだったので、今後、発泡ウレタンやボード系断熱材とも比較していきたいと思います。








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