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温度伝導率とは「カープファンがカープロードを進むスピード」である

「温度伝導率」をどう説明したら分かりやすく伝わるのか、ずっと悩んでいました。

現場で施主様に「実は熱伝導率とは別に温度伝導率というものがありまして…」と話しても、うまく説明できないものだから微妙な空気になってしまっていました。


ですがそれも昨日までの話。

昨晩、これだ!という例えを思い付いたのでここに記したいと思います。



結論から先に言ってしまうと、

温度伝導率とは「カープファンがカープロードを進むスピード」です。



結論だけでは全く分からないと思うので、例えの前提を記します。


・広島駅 = 外部(室外側)

・マツダスタジアム = 内部(室内側)

・カープロード = 断熱材

(※カープロードとは、広島駅からマツダスタジアムへ行く道路で、試合の前後はユニフォームを着たカープファンたちが同じ方向へゾロゾロ歩いています。)

・カープファン = 熱

・道の幅 = 熱伝導率

(狭ければ狭いだけ人が通りづらくなります)

・道の長さ = 断熱材の厚み

・寄り道できる店の数(1ブロック当たり) = 容積比熱

(容積比熱とは、その材料1㎥を1℃上昇させるための熱量です。)

(※カープロードには、試合前に買いたくなる美味しそうな食べ物や飲み物などを売っているお店がいくつも並んでいます。居酒屋もあります。)


図にすると以下のようになります。

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温度伝導率のカープ例え

試合前(=外部が熱い夏の場合)にカープファンはどう動くか


広島駅から続々とカープファンがカープロードにあふれ出し、列になってマツダスタジアムを目指します。

道の幅が狭いと横一列で通れる人数が限られるので、同時に進む人数が限られます。

道の右手を見ると、美味しい匂いを出しているお店が並んでいます。

カープファンは道を外れ、お店に入ったり、並んだりして、食べ物や飲み物が出てくるのを待ちます。試合開始前は、ちょうどお腹がすいてくるぐらいの時間帯なんです。

店にいっぱい人が並んでいると、食べたいけどあきらめる人もでてきます。

そういう人は次の店に入るか、その店も混んでいたらマツダスタジアムまでそのまま進んでいきます。

マツダスタジアムに到達したカープファンは観客席に座り、試合開始に向けて熱気を帯びてきます。


この時の、横一列で何人通れるかという道の幅が、断熱材でいうところの「熱伝導率」になります。

そして、カープファンの進行速度が「温度伝導率」なのですが、寄り道できるお店=「容積比熱」があると、同じ道幅(熱伝導率)でもマツダスタジアムにカープファンが到着するまでの時間に差が生まれるというわけです。



断熱材ごとのイメージ図も作ってみました。(単位省略)


高性能グラスウール16kの場合

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道幅(熱伝導率)は0.038

お店の数(容積比熱)は13

なので、進行速度は他の断熱材に比べて早いです。

ただ、断熱材が安価なので、道の長さを長くしやすいという利点があります。



吹付硬質ウレタンの場合

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道幅(熱伝導率)は0.040とグラスウールとほぼ同じくらい。

お店の数(容積比熱)は25店舗でグラスウールの2倍。

なので、進行速度はグラウウールの約半分ですが、

屋根でグラウウールの半分くらいの厚みだったりすると、同じくらいの熱の伝わり方になります。



フェノールフォーム2号の場合

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道幅(熱伝導率)は0.022でかなり狭いです。

お店の数(容積比熱)は42で、グラスウールや吹付ウレタンよりだいぶ多いです。

なので、進行速度はかなり遅くなります。

ただし、グラスウールの逆で、材料単価が圧倒的に高いので道の長さは出しずらくなります。



セルローズファイバーの場合

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道幅(熱伝導率)は0.040で、グラウウールや吹付硬質ウレタンと同じくらい。

お店の数(容積比熱)は103店舗で圧倒的に店が多いため、激しい客の争奪戦が起きています。

なので、寄り道からカープロードに全然戻れず、進行速度は一番遅くなります。

セルローズファイバーは厚みも出しやすいです。


厚ければ厚いだけ店舗数も増えますので、屋根に200㎜厚以上あると、途中までの店舗でカープファン全員(日中の太陽からの熱)を収容出来てしまいます。

マツダスタジアム(室内)までカープファン(熱)がたどり着けず、客席がらっがらの冷きった試合が行われることになります。

カープファンが店舗に留まり続けてしまうのではないかという心配もあるかと思いますが、そこは終電が過ぎるとちゃんと駅のほうへ向けて徐々に返って帰っていきます。




この例えの更に面白いところが、冬にも当てはまる点です。


冬(室外が寒いとき)は試合終了後のカープファンの動きになります。

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カープファンは試合終了後、道の幅で通れる人数ずつだけスタジアムから出ていきます。

途中に店舗があって寄り道もしますが、どんなに店舗数があってもスタジアムから出ていく人数は一定です。


つまり、夏場は「温度伝導率」の速度でカープファンがマツダスタジアムに向かってきて

冬場は「熱伝導率」の道幅を通る人数ずつカープファンがマツダスタジアムから帰っていくということです。



冬場、居酒屋(店舗)で一夜を明かして翌日の試合も見に行くカープファンもいます。(=蓄熱された熱が室内側に帰ってきます。)

そういうカープファンが実在するかどうかは分かりませんが、そういう熱は実在します。





以上、温度伝導率をカープで例えた解説でした。

広島県民の方には特に分かりやすくなったのではないでしょうか。

ちなみに、妻は生粋のカープファンですが、私は試合観戦中寝てしまうくらいなので、マツダスタジアムには2回しか行ったことはありません。。。


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