竪穴式住居に住むことをおススメします。
- ononoono28
- 2023年7月14日
- 読了時間: 4分
更新日:2023年8月1日
「昔ながらの日本の家が一番良い」と聞くことがあります。
なぜ、昔ながらの家が良いのか聞いてみると、
「日本人は昔からああいった家に住んでいるから日本の風土に合っているはず」と。
長いこと日本人が住んでいたのが良い家の条件なら、1万年くらい日本人が住み続けてきた竪穴式住居が最高ですよね。
日本といっても地域ごとにいろんな家のスタイルがあったようですけど、この神石高原町には横穴の遺跡がいくつかあり、昔の人たちが避暑地として暮らしていたんじゃないかと言われています。
つまり、竪穴式住居と横穴洞窟の二か所居住ですね。
横穴洞窟も入り口を閉じることが出来ればおそらく省エネ等級は最上級です。
ちなみに僕は半年くらい竪穴式住居に住んでいました。

大学2年で中退した20歳のことです。
茨城県石岡市の農場で居候しながら竪穴式住居を作り、秋から春にかけて半年間住んでみました。
実際に住んでみた結果分かったことはいくつもありますが、そのうちの一つは、
『竪穴式住居は今の生活スタイルに合っていない』ということです。
まず第一に、「火を常に焚いている必要がある」
いくら暖かそうなつくりをしていても、基本竪穴式住居は煙を抜くために隙間が大きいです。そのため、火を消したらすぐに寒くなります。
なので家にいる間は常に火を焚いています。
この、火をつける作業は毎日数回やっているとかなり面倒です。
なので、家を離れる際は熾火を灰の中に入れて保温しておいて、帰ったらそれを掘り起こして火をつけていました。
常に火を焚き続けている生活は、一人暮らしや昼間常に家を空けている現代的生活スタイルとは合わないなぁと感じました。
現代でも、常に家にいたおばあさんが亡くなってしまい、若い夫婦だけになったら昼間ずっと閉めっぱなしにしているものだから、家が一気に傷んできたという話を聞きます。
家族の誰かしらが常に家の周りにいる生活が前提にあるんですね。
そして竪穴式住居は土を掘って作っているということもあり、湿気がすごいです。
立地的な条件も大きく関係するとは思いますが、僕が住んでいた竪穴式住居は冬でも火を焚かなければすこしじめっとしていました。
そのおかげで、置いておいた本はみんなシワッシワになりました。
無理やり電気を引っ張て来て、中にオーディオスピーカーとパソコンを置きましたが、それらの電子機器もあと半年住んでいれば壊れてしまったのではないかと思っています。
つまり、乾燥しておかないといけない物のために別棟(高床式とか)を建てるか、物を持たない生活スタイルをしないといけないということです。
文化人類学の本で東南アジアの狩猟民族の話を読むと、やはり後者の物を持たない生活スタイルをしているようなので、おそらく縄文時代も似たような具合だったのではないでしょうか。

竪穴式住居に住んだ結果、風土だけでなく、居住者の生活スタイルに合ってこそ「良い家」なんだなぁということを分かりました。
では昔ながらの家は、昔ながらの生活をする人にだったら良いのか。
ということですが、これに関しては今現在限界集落に住んでいる身として思うところがあります。
集落にそれなりの人数が住んで、人の動きも大きくない時代であれば、お隣さんの目もあってセキュリティがしっかりしてるから危険なことは殆んどないですが、限界集落では居住者が減っていってポツンと一軒家状態に近づいています。
そんなところで、縁側は木戸だけでカギはかけられませんという昔の家だったら、簡単に泥棒に入られてしまいます。
昔は深い谷だった場所にダムが作られ、それからは深い霧がかかるようになった場所もあります。
単純に地球温暖化で年々最高気温が更新されてもいます。
つまり、環境は昔と比べて徐々に変わってきています。
風土に合っているという点も怪しくなってきました。
最後に、その家は本当に昔ながらの家なのかという点。
「昔ながらの家が良い」という人は大抵、アルミサッシ単板ガラスの大きな引き違い窓をついています。昔ながらなら障子や雨戸ですよね。
そして部屋の中では灯油ストーブをガンガンに焚いています。
中途半端に昔で、中途半端に現代なものだから、単板ガラスに大量の結露が発生して、窓枠周りはカビ天国です。
昔であれば風呂場は外にあったのが、今は中途半端に家の中にあるから浴槽周りはシロアリ天国です。
色々書いてしまいましたが、結論、「昔ながらの家が最強」と言っている人たちは、集団で都会から離れた場所に竪穴式住居の村を作って暮らすことをおススメします。
それはそれできっと楽しいでしょう。パソコン周りが好きでなければ僕も参加していたかもしれません。
ちなみにですが、我が家は昔ながらの古民家です。
アルミサッシ単板ガラスで灯油ストーブもガンガン使っています。
古民家ですが、見た目は子供、中身は大人なコナンのように、愛らしい見た目を残しつつ高性能かつ今の生活にあった家に変えていこうとDIYでつつきながら生活しています。
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